はじめに
女医さんが結婚する相手は医者が多いです。
学生時代から交際してきて、そのままゴールインということもありますし、職場で出会って結婚、というパターンもあります。
しかし、中にはなかなか出会いがなく、紹介などで非医療従事者の男性と縁あって結婚しようかという流れになる方もいるでしょう。
かくいう私もそのパターンです。
非医療従事者の男性と結婚することは、ともすれば狭い世界になりがちな医療業界以外の常識を知ることができたり、相手がホワイト企業の従業員なら子育て等に協力的な福利厚生があったりといったメリットもあります。
しかしながら現実は厳しいです。
結婚前は『2人で支え合って生きていこう!』と言っていたはずなのに、気づけば『私の収入頼み』になっていた…こんな話を、実はバリキャリ女性の間でよく聞きます。
今回の記事では、こうしたことについて考察し、予防策と改善策についてチェックしていきましょう!
2. 結婚前に思っていたこと vs. 実際に起きた問題

結婚前の理想はどういう風だったの?

価値観が一致していて、お互いにキャリアを尊重し合う夫婦になりたいな。
今は私は貧乏医者だけど、そのうちちゃんと稼げるようになって、お金に困らないカップルになりたい。

結婚後の実際は?

価値観は大体一致していたんだけど、結局今は私の稼ぎをあてにしている節がびんびんに見えてきちゃって‥。
詳しく筆者の例を挙げてみましょう。
結婚前から結婚直後に思っていたこと
結婚する際、夫が私に求めていたものは、「価値観の一致」。
専業主婦になりたいと思っている女性とは、そもそも夫は結婚したくなかったとのこと。
それは、1馬力では今の世の中いろいろと大変だからとの想定の上。
私が割と仕事が好きで、結婚しても仕事を続けたいという気持ちもあったため、お互いの意見が一致して結婚するに至りました。
(注;私は今ではフルタイム勤務からパートタイム勤務になりたいと考えていますが、それは仕事が嫌になったということや嫌いになったということではなく、働き方を変えたいという理由からです)
なお、彼のスペックは以下のようでした。
- 大学院卒業後、新卒でホワイトな有名上場企業に入社
- 有給休暇も取れる
- 残業もあるが、もちろん手当はつく
- リモートワークは事前申請すれば可能
結婚当初は、ちょうど私がレジデントで薄給だったこともあり、彼の経済力には助けられました。私は家にはほとんどお金を入れなくてもよかったのです。
この時期には、何となく、「2人がほどよく稼いでいれば、おそらく大丈夫だろう」
と楽観的に見ていたのです。
将来どれくらいのお金がいるのか、夫も私もあまり真剣に考えたことはありませんでした。
結婚後、私の仕事が安定してからの実際とは
そもそも、医師だからといって最初から高収入とは限りません。
研修医の時期にはわりとしっかりお給料がもらえていたとしても、その後に大学院に入学したり、薄給レジデントになったりした場合、年収は下がってしまうこともあります。
そうした時期を乗り越え実績を積むことによって、高い年収をもらえるポジションについたり、職場(働く病院など)を変えていくのです。
そう考えると、外資系サラリーマンやホワイト企業サラリーマンの方が、同年代で比較すると高賃金なことはザラにあります。
筆者の場合はどうだったのでしょうか。
薄給ながらもやりがいがあり、実績を積むこともでき、さらに学位も取得できたレジデント時代終了。
大学病院に戻り、子供が二人生まれ、私は行政分野に転職しました。
QOLも重視しての転職でしたが、予想外の事件が。
そう、例のウイルスの世界的流行でした。
ちょうどそのとき、私は中間管理職についたこともあり、コロナ禍で残業が非常に多くなってしまいました。
一方で、夫は世間の会社の流れと同様、リモートワーク中心となりました。
これ幸いにと、私は保育園児の送迎やお世話などを任せ、コロナ関係の仕事に邁進していたのです。
その中で、夫の心情に何か変化があったのかもしれません。
私は長時間労働をしまくった結果、幸いなことに残業手当がつきました。
積立NISAなども定期的に買っていましたが、コロナショックで株価は下落。
そのタイミングで買った投資商品は、その後景気回復とともに爆上がり。
私の名義の資産は増えました。
が、そのような話をしたのがよくなかったのか、
吹き出し
夫は「自分が稼がなくとも、妻(=私)が働いている限り家計の破綻はないだろう」
と思ったのか思わなかったのかわかりませんが、夫は転職を決意。
理由としては、
「今の会社では、上の役職に就くことが難しい(他にたくさんライバルがいることと、年功序列が強いことによるとのこと)」
「経営者側の目線にたってみたい」
とのことでした。
私にろくに相談することもなく、以下の条件の会社へ転職してしまいました。
- 給与は低い
- 単身赴任
- ネームバリューとしては元の会社よりやや劣る
ここで、なぜ夫がこうした決断をとれたのか考えてみましょう。
あくまで私の感想ですが
- 妻(私)の経済力が高まったので、(乱暴な言い方をすれば)自分は好きにやっても子供を育てていくことや老後資金をためることは可能だろう
と考えたのかと思います。
「理屈は正しいが、行動は私の稼ぎをあてにしている」
ということになっているのかと‥。
ただし、夫は以下の費用を出してくれていますので、完全に父親としての金銭的な役割を失っているわけではありません。
- 子供達の民間学童の月謝
- マンションのローン
- (時に)子供達の行事用の道具など
逆に、これらを払ってしまうと月々ほとんど残らないそうです。
そのため、転職前には記念日やホリデーにくれていた私へのプレゼントはほぼ無くなってしまいました。(お金じゃなくて愛情がなくなったって?そうかもしれません)
私としては、経済力的な問題については今は大丈夫ですが、『なんでそんな転職をしたのかね』と呆れています。もう慣れましたが。
吹き出し
私が貧乏医師だった時やコロナで深夜まで働いていた時にも文句を言わず支えてくれていたので、今はよしとしましょう。
まあ、(夫が)好き勝手するのは2年間くらいが限度かな
と思っています。
夫が女医や看護師の稼ぎをあてにすることは、実はあるある?
そもそも、女医さんの結婚相手は男性医師が多く、非医療従事者と結婚している方は少数派のように思います。
非医療従事者であっても、高年収サラリーマンなどはザラにいますので、
女医さんよりも経済力が高い男性と結婚する場合も多いでしょう。
しかし、なぜか、「結婚時には夫婦同じくらいの年収だったのに、いつしか夫が働かなくなり困っている」というバリキャリ女医さんは多いようなのです。
(某医療系メディアに寄せられた意見より)
実際、今の夫との結婚を前提に交際をしていることを私の母に伝えたところ、「サラリーマンと女医さんだと、男性が働かなくなることもよく聞く。けれど、大手企業の方だし大丈夫でしょう」という意見をくれました笑
私の実感としては、むしろ看護師の女性はダメンズと付き合ったり結婚している方がみられるように思うのですが、どうなのでしょうかね。
結婚前に確認すべきポイント
さて、それでは結婚前にどのようにすれば、夫の低収入転職を予防できたのか考えていきましょう。
共働き女性の場合には給与や資産を相手に教えない
これは、ひとえに年収や月々の収入を相手に詳しく教えないことでしょう。
男女平等、雇用均等といっても、日本ではいまだにやはり女性よりも男性の方が給与は高い傾向があります。
一方で女性が医者や薬剤師、看護師の場合には、少なくとも独身の間は男女の給与差はそこまでないのではないでしょうか。
生涯年収という点では、やはり子育てによる離職などが響いてくるとは思うのですが、最大の強みは、一回子育てなどで離職しても再就職が容易であること。
そのため、本人に働く気があれば(よほど子供のケアが必要などの場合除き)働く時間や場所を調整しながら、働き続けることも可能なのです。
女性側が経済力を持つことで、男性側が『まぁ自分は楽にすればいいかー』と思うに至っても不思議ではありません。
(もちろん全ての方がそうと言っているわけではありませんよ!)
ですので、『自分がどれくらい稼いでいるのか、どれくらい資産があるのか』を相手に伝えないことも、場合によっては得策かもしれません。
金銭管理はきちんとする
自分の給与を明らかにしないで、夫婦としての金銭管理をすることは少し難しいかもしれません。
しかし、『毎月〇〇円は投資に回す』『〇〇円はレジャー費に取っておく』など、共通の目標を決めておけば、夫婦の会話にも繋がるので良いかと思います。
私もそうしておけば良かったです😭
結婚前に毎月どれくらい投資・貯蓄しているかを事前に確認
独身時代からの金銭に対する考え方をお互いに共有しておくことも大切かもしれません。
結婚相手の職業が変わるリスクについて検討
女医さんは、特に相手の職業が変わるリスクについても検討すべきと考えます。
例えば私の場合でも、
「ホワイト企業に勤める夫=安定した収入、福利厚生の充実、年功序列かもしれないが時期に高い役職に就け、年収アップ」
というプランを描いていました。
しかしながら、結局は突然に、以前の会社よりはランクの下がる低収入転職を選び、経済力としては低下してしまいました。
夫の“経済観”や“キャリア観”は結婚前に深掘りしておくべきでした。
補足ですが、この辺りは結婚後徐々に夫の『経営側に回りたい』というような発言が聞かれるようになったため、何となく同じ企業で年功序列の昇格を待ちきれないでいるのかと思っていました。
が、本当に転職(私に子供達の面倒を半ば押し付ける形で!!)するとは予想外でした。
ここまでをまとめて、結婚前に聞くべき3つのことチェックリストを作ってみました。
1. 夫の「経済観」:お金の管理はどうする?投資や貯金の考え方
2. 夫の「キャリア観」:転職や独立願望はある?リスクへの備えはあるか?
3. 夫の「家族観」:育児や家事の役割分担をどう考えてる?やる気あるかな?
これらがあまりに自分と合わない場合は、少々検討の時間をとっても良いかもしれません。
今後の教訓とまとめ
教訓としては、結婚前に「夫婦の今後をどう考えているか」をしっかりと話し合うことが大切だと思います。
今でこそ、資産形成などについて真剣に考えるようになったものの、結婚当時は、私は何も考えずに浮かれていました( ´∀` )
結婚願望のある女医さん・女性医学生の方には、ぜひ参考にしてみてもらいたいです。
今のパートナーがいる方は、はたして長い人生を共に歩める相手かどうか、一度冷静になって考えてみてもよいかもしれません。
「金の切れ目が縁の切れ目」とはよくいったもの。
特にお金の話はあまりしたくない、と考えるかもしれません。
せっかく結婚前に気持ちが盛り上がっているのに、水を刺すようで‥と思うかもしれません。
しかし、もともと全く別の生き方をしてきた二人ですが、話し合うことで互いに寄り添える部分も出てくるでしょう。
結婚は、恋愛の延長であると同時に、家族としての“共同経営”でもあります。
お金の話だからとためらわず、ぜひ結婚前に、夫婦の未来を話し合いましょう!
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